本巻では、皮膚科医が適切な対応を求められる重症薬疹をはじめ、薬疹に関する最新の知見をまとめた。また、薬疹を臨床症状別、原因薬剤別に網羅的、系統的に取り上げ、皮疹の臨床写真を提示してそれぞれを詳述した。皮膚科臨床医の必携書である。

目次

■薬疹・中毒疹の概念
■薬疹の発症機序
T細胞の関与する薬疹／ウイルスの関与する薬疹／好中球の関与する薬疹
■薬疹の統計
わが国における歴史的変遷／最近の傾向
■薬疹の臨床型分類
重症型薬疹（Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症、drug-induced hypersensitivity syndrome／発症機序に特徴のある薬疹（固定薬疹、光線過敏型薬疹、見逃されやすい薬疹（acute generalized exanthematous pustulosis 、間擦疹型薬疹、界面活性剤による薬疹／その他の薬疹（播種状紅斑丘疹型薬疹<中毒疹型薬疹>、多形紅斑型薬疹、扁平苔癬型薬疹／蕁麻疹型薬疹／湿疹型薬疹／紅皮症型薬疹／紫斑型薬疹／結節性紅斑型薬疹／膿疱型薬疹／ざ瘡型薬疹／毛包炎型薬疹／エリテマトーデス型薬疹／乾癬型薬疹／色素沈着型薬疹／水疱症型薬疹／天疱瘡様薬疹／接触蕁麻疹型薬疹
■薬剤による副作用
サイトカイン、シグナル伝達阻害薬による皮膚障害／薬剤による毛包・爪障害／薬剤による潰瘍形成／アスピリン不耐症／健康食品による副作用／副腎皮質ステロイド外用薬による副作用／複合投与による薬剤の副作用／その他の副作用（昏睡性水疱、歯肉増殖症）
■作用別に見た薬剤と薬疹
造影剤による薬疹／抗腫瘍薬による薬疹／漢方薬による薬疹／抗リウマチ薬による薬疹／抗生物質による薬疹／キノロン系抗菌薬による薬疹／抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬による薬疹／抗炎症薬による薬疹／循環器疾患治療薬による薬疹／中枢神経疾患治療薬による薬疹
■薬疹のときにみられる多臓器障害
肝障害、腎障害、造血器障害／薬剤誘発性膠原病
■薬物の代謝
■薬疹の診断
■薬疹の治療
索引