機能神経外科領域疾患である不随意運動，難治性疼痛，てんかんを中心に神経回路の機能調整・制御・再建を目指す外科的治療法をまとめた．
特に最近広く受け入れられることとなった定位脳手術手技を用いた脳深部刺激療法はDVDにも収載されている．本領域の新たな飛躍の一助となる一冊である．

目次

1章 総論
　機能神経外科学とは何か
　疫学と病態生理
　不随意運動
　疼痛
　てんかん
2章 定位脳手術(装置と操作法)
　定位脳手術装置
　標的の決定法
　脳室造影
　ＣＴ，ＭＲＩ
　微小電極(記録と刺激)
　定位的放射線装置
　慢性電気刺激装置
3章 神経機能のマッピングとモニタリング
　言語機能
　運動機能
　脳神経機能
　体性感覚誘発電位(ＳＥＰ)
　聴性脳幹反応(ＡＢＲ)
　functional ＭＲＩ，近赤外分光法
4章 不随意運動
　大脳基底核の神経回路
　不随意運動の臨床的サーキットモデル
　不随意運動の病型分類と薬物療法
　不随意運動の手術
　Parkinson病
　本態性振戦，脳卒中後振戦
　痙性斜頸
　ジストニア
　不随意運動の脳深部刺激療法
　不随意運動の神経移植による治療
　交感神経節
　神経伝達物質産生細胞株，神経栄養因子産生細胞株
　神経幹細胞
5章 疼痛
　疼痛の神経回路
　疼痛の病型分類と薬物療法
　ドラッグチャレンジテスト
　特殊な疼痛
　幻肢痛
　複合性局所疼痛症候群
　疼痛の手術
　脊髄・根レベル
　脳幹・視床・大脳レベル
　疼痛の神経刺激療法
　脊髄レベル
　視床レベル
　大脳皮質レベル
6章 てんかん
　てんかんの病型分類と手術適応
　てんかんの薬物療法
　てんかん焦点の検査法
　EEG，MEG
　SPECT，PET
　てんかん外科における皮質マッピング
　てんかんの手術
　側頭葉てんかん
　側頭葉外てんかん
　脳梁離断術，機能的半球切除術
　軟膜下皮質多切術
　てんかんの神経刺激療法
　迷走神経刺激
　脳深部刺激
7章 三叉神経痛，顔面痙攣
　病態と薬物治療
　微小血管減圧術
　ガンマナイフによる治療
8章 痙縮
　末梢神経手術
　機能的脊髄後根切断術
　髄腔内薬物投与
9章 遷延性意識障害
索引
[DVDコンテンツ一覧]
　１.MRIによる標的の決定(間接法)
　２.言語機能のマッピング
　３.運動機能のマッピング
　４.記録用針電極と刺激装置のセッティング
　５.Parkinson病
　６.本態性振戦
　７.痙性斜頸
　８.ジストニア
　９.不随意運動の脳深部刺激療法
　10.microDREZotomy(Sindou)
　11.言語関連機能マッピングの実際
　12.経Sylvius的選択的扁桃核海馬摘出術
　13.前頭葉の皮質焦点切除術
　14.脳梁離断術，機能的半球切除術
　15.軟膜下皮質多切術(MST)
　16.機能的脊髄後根切断術