不慮の事故や交通事故による神経外傷が社会に与える損失は計り知れず、受傷原因も多様化している。
本巻では、神経外傷に伴う高次脳機能障害や、最近とくに問題になっている幼児虐待がもたらす神経外傷、患者へのインフォームドコンセント、また、神経外傷患者の慢性期ケア、家族への支援などの社会的な側面を含めて、神経外傷の診療すべてを網羅。
さらに、神経外傷の臨床では切り離すことができない感染・炎症性疾患についても詳述した。

目次

■神経外傷
1章　総論
　社会問題としての中枢神経外傷
　メカニズム
　病理
　病態生理
　　電気生理学
　　脳代謝，脳血流量，脳血液量
　　外傷性脳浮腫，外傷性脊髄浮腫
　　モニタリング
　中枢神経系の再生医学
　分類
　　頭蓋・脳外傷
　　脊椎・脊髄外傷
2章　神経外傷の救急
　受傷現場での救急処置
　救急室での救急処置
　多発外傷における神経外傷
3章　神経外傷における検査
　神経学的検査
　　頭蓋・脳外傷
　　脊椎・脊髄外傷
　神経放射線学的検査
　　頭蓋・脳外傷
　　脊椎・脊髄外傷
　予後の判定
　　頭蓋・脳外傷
　　脊椎・脊髄外傷
4章　治療
　治療法の選択とその根拠
　　頭蓋・脳外傷
　　脊椎・脊髄外傷
　周術期管理
　　頭蓋・脳外傷
　　脊椎・脊髄外傷　　
　手術法
　　頭蓋・脳外傷
　　脊椎・脊髄外傷
　非観血的治療
　　頭蓋・脳外傷
　　脊椎・脊髄外傷
5章　各論
　頭部外傷
　　脳振盪と外傷性意識障害，脳幹損傷
　　頭蓋骨骨折
　　急性硬膜下血腫，脳挫傷，脳内血腫
　　硬膜外血腫
　　びまん性脳損傷，脳幹損傷
　　外傷性脳血管障害
　　後頭蓋窩血腫
　　慢性硬膜下血腫
　　頸部頸動脈損傷，頸部椎骨動脈損傷
　　顔面外傷
　脊椎・脊髄外傷
　　頸椎・頸髄損傷
　　胸椎・胸髄損傷
　　腰椎・仙椎損傷
　末梢神経外傷
6章　小児・高齢者の神経外傷
　小児の神経外傷
　高齢者の神経外傷
7章　後遺症
　頭蓋・脳外傷
　　脳外傷後遺症
　　外傷性てんかん
　脊椎・脊髄外傷
8章　神経外傷患者の慢性期ケアと家族への支援
　頭蓋・脳外傷
　脊椎・脊髄外傷
9章　インフォームドコンセント
　頭蓋・脳外傷
　脊椎・脊髄外傷
　神経外傷と法律
10章　ガイドライン
　頭蓋・脳外傷
　脊椎・脊髄外傷
■感染・炎症性疾患
1章　総論
2章　頭蓋および頭蓋内の感染症
　細菌性感染症
　ウイルス性感染症
　寄生虫・原虫感染症
　真菌感染症
　AIDSとこれに伴う中枢神経感染症
　プリオン病
　脳静脈/硬膜静脈洞血栓症
　慢性炎症性疾患
3章　脊椎・脊髄の感染症