イギリス・アメリカをはじめとする諸外国の精神保健福祉施策は，病院中心医療から地域精神保健へと移行し，現在では，地域において治療プログラムや生活支援をいかに行うかが問題の中心となっています．わが国では，退院を促進したくても地域の中でそれを支えるシステムが整っていないことで諸外国におくれを取っている感がありますが，本書では各国の現状を紹介し，わが国の進むべき方向を示唆しています．

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目次

Ⅰ　総論
　精神科医療の国際動向　（佐々木一）

Ⅱ　世界における精神科医療改革の取り組み
　1．近年のイギリスにおける精神保健改革　（伊勢田堯，西田淳志）
　2．イギリスにおける地域精神保健福祉－ケアプログラムアプローチの実際　（三野善央）
　3．アメリカ・ニューヨーク州における精神科医療　（松原三郎）
　4．アメリカ・ウィスコンシン州デーン郡における地域精神保健活動－マディソンモデルの実際　（久永文恵，伊藤順一郎）
　5．アメリカ・カリフォルニア州における地域精神科医療　（本間玲子）
　6．カナダ・トロント市における精神障害者の生活支援－特にACT の効果について　（Steve William Lurie，松原三郎）
　7．イタリアにおける精神科医療改革　（清野　絵，水野雅文，安西信雄）
　8．フランス精神医療の歴史・現状・課題　（田口寿子）
　9．フィンランドにおける精神科医療改革　（佐々木一）
　10．オーストラリアにおける精神科医療改革　（瀬戸屋雄太郎）
　11．アジアにおける精神医療　（新福尚隆）

索引