「サイコオンコロジー」は心理学(psychology)と腫瘍学(oncology)とを合わせた造語(psycho-oncology=精神腫瘍学)で，がん治療に適切な精神的ケアをとりいれる学問として欧米で発展し，わが国でも2007年のがん対策基本法の施行以来，より注目されている分野です．本書では，わが国第一線のサイコオンコロジストが，精神症状のマネジメント，コミュニケーションスキル，家族ケアなどについて，最先端の知識や日常臨床の経験をわかりやすく解説しています．

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目次

Ⅰ　総論
　1．精神腫瘍学概論　（内富庸介）
　2．コンサルテーションの基本　（小川朝生）
　3．心理社会的要因とがんの発症/生存　（中谷直樹，中谷久美）

Ⅱ　精神症状の評価とマネージメント
　1．がんの経過における正常反応と精神症状　（秋月伸哉）
　2．不安・抑うつ　（山田了士）
　3．不眠　（奥山　徹）
　4．希死念慮・自殺　（明智龍男）
　5．せん妄　（中野谷貴子，清水　研）
　6．終末期　（松島英介）
　7．薬物療法　（和田知未）
　8．精神療法　（岡島美朗）
　9．高齢者/認知症　（岡村　仁）

Ⅲ　ケアとコミュニケーションスキル
　1．家族・遺族ケア　（大西秀樹）
　2．がん医療におけるコミュニケーションスキル　（藤森麻衣子，内富庸介）

Ⅳ　緩和医療
　1．緩和医療概論　（森田達也）
　2．ホスピス・緩和ケア病棟　（木下寛也）
　3．緩和ケアチーム　（小早川誠）
　4．地域緩和ケア・在宅緩和ケア　（藤本　肇，網屋佳代子）

索引