国威の高揚をみる1930年代，当時の日本を代表する動物学者 谷津直秀が上海・香港・シンガポール・コロンボからスエズ運河をへてイタリア・スペイン・ポルトガル・パレスチナへと旅した，その旅行記である。碩学が当時の世界をどのように見ていたのか，その目を通して1935年にタイムスリップしてみよう。著者の該博な知識が，その驚きが，冷徹な目が，我々に何を語ってくれるのだろうか。
目次

1　日本から西航ペナンまで
　門司から上海まで
　上海
　上海から香港まで
　香港
　香港からシンガポールまで
　シンガポール
　シンガポールからペナンまで
　ペナン
2　インド洋をゆく?ペナンからアデンまで
　ペナンからコロンボまで
　コロンボ
　キャンディ
　コロンボからアデンまで
　アデン
　アデンからスエズまで
3　スエズ運河・エジプト
　スエズ
　スエズ運河
　ポートサイド
　カイロからポートサイドまで
　スエズからカイロまで
　エジプト
　カイロ
　ギーザのピラミッドとスフィンクス
　メンフィスとサッカラ
4　イタリア
　ポートサイドからナポリまで
　ナポリ
　ナポリから海路マルセイユまで
　シチリア
　パレルモ
　メッシナ
　タオルミーナ
　カターニア
　シラクーザ
　タラント
　ナポリからローマ
　ローマからジェノヴァまで
　ジェノヴァ
　ジェノヴァからモナコまで
5　モナコ・南フランス・ジブラルタル
　モナコ
　ヴィルフランシュと臨海実験所
　モナコからマルセイユまで
　マルセイユ
　マルセイユからジブラルタルまで
　ジブラルタル
　アルへシーラス
6　スペイン・ポルトガル
　スペインの旅に上る
　スペイン
　スペイン雑観
　アルへシーラスからグラナダまで
　グラナダ
　マドリード
　トレド
　コルドバ
　セビリア
　サラゴサ
　バルセロナ
　ポルトガル入り
　ポルトガル
　ポルトガルと東亜
　リスボン
　コインブラ
　ポルト
7　パレスチナを旅して
　パレスチナを旅して
　パレスチナ
　ポートサイドからエルサレムまで
　エルサレム
　パレスチナの小さな旅
付録
Ａ．パレスチナの地質
Ｂ．パレスチナの動物
Ｃ．パレスチナの植物