貧血は症候名であり，病態をはじめ診断法や治療法も異なる多種多様な疾患が含まれる．
診療にあたっては原因疾患を明らかにして適切な治療を行わなくてはならない．
本書では発症機序により，造血必須物質欠乏，溶血性，骨髄不全，続発性に大別して，病型ごとに，診断のポイント，標準療法，再発・難治例への対応などを詳述した．加えて，理解を深めるための関連項目をMini Lectureで取り上げた．

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目次

序章
　初診時のアプローチ　（山﨑宏人）

第1章　造血必須物質の欠乏による貧血
　鉄欠乏性貧血　（山﨑宏人）
　〔Mini Lecture〕　鉄剤不応性/再発性鉄欠乏性貧血に対するHelicobacter pylori除菌療法　（今野武津子）
　〔Mini Lecture〕　鉄代謝のバイオマーカー　（生田克哉，畑山真弓，伊藤　巧）
　巨赤芽球性貧血　（大西　康）
　微量元素(亜鉛/銅)欠乏による貧血　（宮腰重三郎）
　腎性貧血　（友杉直久）
　〔Mini Lecture〕　貧血患者に対する栄養指導　（岩田加壽子，原なぎさ）

第2章　溶血性貧血
　病型診断の進め方（唐澤正光）
　自己免疫性溶血性貧血（温式）（亀崎豊実）
　〔Pitfall〕　Coombs陰性自己免疫性溶血性貧血（亀崎豊実）
　寒冷凝集素症　（石田陽治，小宅達郎）
　発作性寒冷ヘモグロビン尿症　（石田陽治，藤島行輝）
　発作性夜間ヘモグロビン尿症　（西村純一）
　遺伝性球状赤血球症　（和田秀穂）
　赤血球酵素異常症　（菅野　仁）
　サラセミア　（服部幸夫，山城安啓）
　不安定ヘモグロビン症　菅野　仁）

第3章　骨髄不全とその周辺疾患
　検査・診断
　　免疫病態の診断　（中尾眞二）
　　異形成所見　（栗山一孝）
　　骨髄病理　（伊藤雅文）
　　染色体分析・遺伝子検査　（南谷泰仁，黒川峰夫）
　　フローサイトメトリ—を用いた表面形質の解　析（緒方清行，山元由美）
　　画像検　査（小澤栄人）
　　骨髄異形成症候群の病型分　類（松田　晃）
　再生不良性貧血 <成人>　（山﨑宏人）
　〔Mini Lecture〕　ATG投与後のEBV再活性化とその対策　（大畑欣也）
　再生不良性貧血 <小児>　（谷ヶ崎博）
　Fanconi貧血　（矢部みはる）
　〔Pitfall〕　成人Fanconi貧血−小児科医からのアドバイス　（矢部みはる）
　先天性角化不全症　（坂口大俊，高橋義行，小島勢二）
　骨髄異形成症候群 <成人>　（石川隆之）
　〔Mini Lecture〕　5q−症候群　（通山　薫，岡本秀一郎）
　〔Pitfall〕　ICUS（idiopathic cytopenia of undetermined significance）　（安藤恵子，大屋敷一馬）
　〔Pitfall〕　鉄芽球性貧血　（藤原　亨，張替秀郎）
　骨髄異形成症候群 <小児　>（上野浩生，真部　淳）
　赤芽球癆　（廣川　誠，澤田賢一）
　〔Mini Lecture〕　輸血後鉄過剰症　（鈴木隆浩）

第4章　続発性貧血
　anemia of chronic disease (ACD)　（臼杵憲祐）
　薬剤性貧血　（半下石明）
索引